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妊娠すると、虫歯になりやすいの?
つわりなどで食事が不規則になったり、歯みがきの不備で、虫歯の危険度が増します。ただ、赤ちゃんに歯のカルシウムを取られるというのは迷信で、母体の食事と骨のカルシウムから与えます。
歯周病を予防して!!
妊娠期のホルモンの関係で、歯周病(歯の周囲の歯ぐきや骨の病気)が進みやすくなります。お母さんの健康は赤ちゃんにも響き、歯周病が早産に影響します。つわりの時期は、食前の歯みがきが楽なようですし、ながらみがきでもかまいません。
妊娠中の歯の治療は?
妊娠初期は避けるべきですが、中期からは可能です。くわしくは、かかりつけ歯科医に相談してください。もちろん、定期診査も続けましょう。ご自分の口をきれいにすることで、赤ちゃんも虫歯から守られます。
妊産婦健診と定期診査!!
ご自身と赤ちゃんのために、歯科健診を受けましょう。福岡市は無料の妊産婦健診を実施しており、多くの歯科医院が協力しています。当院は妊婦健診だけでなく、その後の定期診査も行っていますのでご利用ください。
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赤ちゃんの歯はいつできる?
お母さんがおめでたに気づく前です。乳歯は妊娠6週ごろ、歯の外形がタンパク質でつくられます。最初はゼリ−状の軟らかい歯ですが、妊娠4か月からカルシウムが添加して硬くなります。永久歯は胎生4か月から、6才臼歯と前歯の外形ができ、出産ごろからカルシウムの添加が始まります。
歯はいつから生えるの?
乳歯の前歯が生後7か月ごろに顔を見せ、2才半で20本の乳歯がそろいます。ただ、個人差があり、少し遅れる子もいます。永久歯は6才ごろ、乳歯の奥に追加して6才臼歯が顔を出します。
歯が生える前
上手に食べさせたい?
赤ちゃんは食べ方を離乳食の中で身につけます。最初は上唇で食べものを受け取る練習期で、この能力が後に大きく響きます。そして、のみ込み方、歯ぐきかみの順に進みます。
離乳食にも個人差!
平成19年授乳・離乳支援ガイドで、早い子、遅い子の個人差が考慮されて、離乳完了期が12〜18ヶ月と幅が広がりました。医院の経験では、早過ぎた方が問題は大きいように感じます。うまくいかない時は、前の時期のおさらいも考えましょう。
平成31年改定で、離乳初期、中期、後期の名が戻りました。
赤ちゃんにも虫歯ができるの?
赤ちゃんの虫歯の多くは、寝ながら授乳が原因です。生えて間のない歯ほど弱く、眠りに入ると汚れを洗い流すだ液の量が減るからです。
母乳だけでは虫歯になりませんが、これに甘味食品が加わると、母乳やミルクも虫歯を加速させます。また、虫歯の危険度は、母乳も人工乳も変りません。
虫歯菌はどこからくるの?
赤ちゃんの口には、虫歯菌(ミュ−タンス菌)はいません。歯が生える7か月ごろから、お母さんや家族の口から移ってきます。貴女の口が汚れていると、赤ちゃんに強い虫歯菌を渡します。
ただ、『親子の食器を別にして、キスはだめ』には無理があり、ご家族の口をきれいにするの方が現実的な子育てです。
いつ、歯科につれていこう?
なるべく早い受診をお薦めします。小児歯科は子どもだけでなく、妊婦さんや胎児の応援もできます。早くから定期診査で、授乳や離乳食、食事や歯みがき指導、フッ素塗布を受けて、安心して子育てしてください。小児歯科を子育ての相談相手にしませんか。
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上手に食べさせたい
食べる機能は離乳食を通した学習が必要で、捕食・えん下・そしゃくの順に身につけて幼児期に完成します。また、この機能獲得には個人差があります。やみくもに硬いものへと急がず、軟らかい食品に戻すことも必要です。
いつ、虫歯はできるの?
2才児の8%が虫歯で、5才児では50%に達します(平成23年厚労省)。また、幼い子どもの虫歯は急速に進み、痛みを感じません。甘いものに限らずダラダラ飲食を止めて、きれいに歯みがきましょう。
歯みがきを嫌がる?
この年令は、泣いたり嫌がるのが普通です。特に寝る前はグズリますから、昼間の歯みがきをすすめます。また、寝かせみがきで手早くみがき、お話しや歌を交え、ほめてあげれば後には響きません。
フッ素はいつから始めるの?
歯が生えたら始めましょう。幼い歯ほど虫歯になりやすく、フッ素の吸収が活発です。医院でも家庭でもフッ素で予防しましょう。もちろん、フッ素の力を過信しないで、飲食の管理や歯みがきも充実しましょう。
指しゃぶり、どうしよう?
3才までは様子を見ましょう。元気に遊んだ日は、指しゃぶりが少ないと感じませんか?。他のお子さんと体を使った遊びで、心を開放できる環境をつくりましょう。多くは就寝前だけになり、4才前に指しゃぶりは消えています。
虫歯治療はできますか?
どの年令でも可能です。ただ、2才まで多くは泣き騒ぎますから、手などで押さえます。ただ、治療後にほめてあげれば、心の傷にはなりません。
また、幼児の治療は午前中が安全です。3才になれば理解力が増して、ほとんどが上手に受診します。そして、大人よりずっと強くなります。
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強い歯に育てよう!
個々の歯の強さは、生えた後3年間の待遇で決まります。歯の結晶が育つ時期で、生えた直後が最も危険です。結晶が大きく育つと強い歯です。治療では歯を強くできませんから、予防が最良の治療です。
指しゃぶり、どうしよう?
3才までは様子見だけで十分です。多くは4才前に消えて、歯ならびの変形も自然に改善します。はずかしめたり、無理に止めさせると、爪かみなど別の癖に変わるだけです。
4才後も続く時は、心の問題も考え、原因さぐりから始めましょう。元気に遊んだ日は、指しゃぶりが減りませんか。子ども仲間と体を使った遊びで、心を開放できる環境つくりが早道です。
上手に受診できるかな?
3才になると、急に上手になります。自我が芽生えて治療の説明が理解でき、多くは歯医者さんゴッコで楽しく遊びます。大人の「見るだけ」など、うそやごまかし、気休めは足を引っ張るだけです。
受診時間も影響します。午後は大泣きだった子が、午前は笑顔で受診なんて珍しくありません。心身ともに安定した疲れのない午前中に、楽しく安全に受診させてください。
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3年間で強い歯に!
大人の治療の多くは、以前に治療した歯の再治療です。その原因は、子ども時代にさかのぼります。歯の結晶は生えた後の3年間に成長しますが、この時期に強い歯、弱い歯が決まるからです。この大事な時期の手厚い予防で、将来の不安を消しましょう。
6才臼歯を守って!
乳歯の奥に生え、ほとんどの子がが虫歯にします。特に生える途中が危険で、小学生でも、生えて3年間は幼い歯です。生活や飲食のリズム、みがき直しなど大人の援助で強い歯に育てましょう。
新しい世代と歯科受診!
『歯医者が恐い、痛い』は古い世代の思いです。小児歯科専門では3才から上手に受診でき、子ども自身が治療に参加します。治療目的や器具の説明を受け、お手本になる子の治療を見て理解を深めます。
インホ−ムド・コンセント【説明と同意】は、60年前にドイツから広まった患者主体の医療です。治療法やその問題の説明を聞き、内容を理解した上で、患者さん自身が対応を決める制度です。
皆様へのお願い!
大きい子ほど、『歯科が恐い』と思い込まされているようです。多くは、歯科恐怖症が欧米の2〜4倍もいる大人の影響でしょう。6才までの対応が大切で、この時期は良い面、悪い面を極端に感じ取り、この影響が後まで尾を引くからです。
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障害を持つ子の歯科診療は!!
障害児という名の子はおりません。処置も特別なものはなく、皆と同じ内容です。当院では、虫歯、歯ぐき、歯ならびの治療と予防、それに食べる機能の支援を用意しております。これをどこまで進めるかは、お子さんの状態と保護者のお考えで決まります。
障害と虫歯!!
障害と虫歯の関係はなく、むしろ、障害児の方が虫歯は少ないという報告が多いほどです。それは、保護者の方が予防に目を向ける頻度が高いからでしょう。できるだけ早くから、定期診査を続ける方が有利です。
どんな対応をするの?
お子さんの理解力・表現力・運動能力で違い、障害も個性の一つとして考えます。また、年令や発達でも対応が変わり、次の二つを基本に組み合わせます。
- Tell-Show-Do(テル・ショウ・ドゥ)
- 治療内容を話したり器具を見せて説明後に、理解を待って治療する。
- Modeling(モデリング)
- 上手な子の治療を見せて真似をさせます。次はこの子がモデルになり、次々に上手な子の輪が広がります。
必要に応じて次の手段も加えますが、保護者のご意見が優先します。また、受診を重ねると受診態度も変わりますので、ご意見を伝えてください。
- 体の抑制
- 職員の手や抑制ネットで押える。保護者の了解が前提で、なるべく早く抑制を外すようにします。
- 笑気鎮静法
- 笑気ガスを吸わせて、夢をみているような穏やかな気持ちにする。
- TEACCH法(ティーチ法)
- 絵カードや写真で処置の手順を教えて進める。
- 全身麻酔法
- 以上の方法で困難な時や、来院回数を減らす場合に使い、ご希望で大学病院などに紹介します。
定期診査から始めて!!
最初の出会いが治療では、お子さんの負担が大き過ぎます。予防なら医院にも慣れやすく、治療の機会も減ります。なるべく早くから定期診査を続けましょう。当院では、乳幼児期から30代まで定期診査を重ね、健康を高めている人も少なくありません。
心疾患などの病気と歯科治療は?
歯の治療時に病原菌が血管に入り、心内膜炎を起こす恐れがあります。そのため、治療前後に抗生物質を飲んで、病原菌を押さえます。治療前に病気の主治医の意見を求めますので、指示を受けてください。
歯ぐきの病気からも病原菌が侵入します。治療時だけでなく、日頃の予防が大切です。
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